東京都消費者月間事業では「持続可能なやさしい未来へ」をテーマに掲げ、消費生活に関する様々な事業を実施しています。「交流フェスタ」は本事業のメインとなるイベントで、今年も新宿駅西口広場イベントコーナーで2日間にわたり開催しました。消費生活について学べる場として多くの来場者へ情報発信を行うとともに、出展者同士の情報交換の場として多くの方と交流する機会となりました。
イベントの内容や当日の様子を紹介します。
「消費生活」というジャンルは非常に広範囲で情報も課題も多岐にわたります。出展ブースでは、①消費者被害防止、②くらし、③環境・エシカル、④食、⑤子ども、⑥安全対策の6つのエリアを設け、来場者へ情報提供を行いました。今年は大学生の参加を含め、42の団体が出展し、工夫を凝らした展示や企画は、多くの来場者の学びの場となりました。
ここでは、エリア毎の内容を紹介します。
![]() にぎわう出展ブース |
①消費者被害防止エリア(6団体)
消費者被害未然防止のための様々な対策を紹介しました。東京都消費生活部企画調整課と消費生活総合センターの共同ブースでは、複雑化する悪質商法の手口をパネル展示やリーフレットの配布により紹介し、被害防止の呼びかけを行いました。
また、誰にでも起こりうる身の回りに起きるトラブル、屋根点検に見せかけた詐欺、消費者団体訴訟制度についての解説、詐欺メールやパソコンの偽のセキュリティ警告についても多くの人の関心を集め、効果的な注意喚起ができました。
②くらしエリア(14団体)
引越、終活やライフプラン、相続登記申請の義務化、標準化やエネルギー、フードマイレージなど、関心の高い情報を幅広く提供しました。自転車のヘルメット着用の努力義務化に伴い、様々なヘルメットの展示を行い、実際にヘルメットを手に取って性能などを確認することができました。その他、消費者の声を生かした製品やサービスの紹介、東京都計量検定所のブースでは計量ゲームを通して計量制度を知る展示など、工夫を凝らした楽しい展示が多く見られました。公衆浴場のブースでは銭湯チケットが当たる抽選会が行われ、多くの人で賑わいをみせました。
③環境・エシカルエリア(12団体)
エシカル消費への関心が高まる中、消費者月間実行委員会のグループでは、今日からはじめられるエシカル消費について解説する展示を行いました。
各ブースではプラスチック削減の取り組み、再生資源リサイクル、リユースびんや古紙リサイクル促進、紙製飲料容器カートカン、太陽熱の利用、食品ロス削減につながるフードドライブについてなど、エシカル消費を意識した循環型社会の実現に向けた活動の紹介が行われました。また東京都消費生活部から「TOKYOエシカル」の活動について紹介がありました。
④食エリア(5団体)
冷凍食品の上手な利用方法、日本独自の調味料であるしょうゆの選び方や保存方法、分別の仕方など、今日から実践できる情報を多く提供しました。また、福島の農林水産物・畜産物の紹介、食の安全に関する取り組みや健康的な食生活など食に関する情報は全世代において関心が高く、健康チェックができるブースでは順番待ちの行列も見られ大盛況でした。
⑤子どもエリア(1団体)
東京都消費生活部生活安全課では、日常生活の中で起こる子どもの事故、その防止策についての情報提供を行いました。部屋の模型を展示し、ボタンを押すと子どもにとって家の中で危険箇所がわかる仕組みに大人だけでなく子どもの関心も引く展示となりました。
⑥安全対策エリア(4団体)
災害体験VR機器を使用して防災意識を高める展示、LPガス機器の使用に伴う安全情報などを提供しました。大学生による展示では非常時に使用する簡易トイレの使い方を実践。多くの人の興味を引き、災害時のトイレ問題について考えるきっかけとなりました。
東京都都民安全推進部では自転車シミュレータ、歩行者シミュレータを設置して、体験しながら学べる展示を行いました。子どもから大人まで楽しく交通安全について学ぶことができました。
会場内にステージを設け、くらしに役立つミニセミナーを行うセミナーステージは、1回30分程度で気軽に参加できると毎年好評のコーナーです。2日間で13団体が開催しました。
エシカル消費やSDGs、環境、老後のお金をテーマにしたもの、終活をクイズ形式で考えるセミナー、食に関するお得な情報など、自分の興味に合わせて多くの方が聞き入りました。子どもも楽しめる紙芝居や頭と体を使ってステップを踏む健康に役立つ体操などもあり、来場者も参加して盛り上がりました。
消費者被害防止を目的とした東京都の出前寄席では、プロの漫才師が面白くてためになる啓発漫才を披露。軽快なやり取りに会場は笑い声に包まれました。
出展団体からはマスコットキャラクターが登場し、消費生活総合センターの悪質商法被害防止のキャラクター「ぼく、カモかも…」「オレ、サギだもん」「相談インコ」と共に会場を楽しく盛り上げました。
![]() セミナーステージでくらしの知恵を学習 |
![]() 出前寄席:消費者被害防止の漫才 |
![]() マスコットキャラクター勢ぞろい |
親子で参加できる無料の体験コーナーとエシカルワークショップを開催しました。
「エシカルワークショップ」は、実行委員会エシカル消費グループが地域の福祉作業所に運営を依頼して、ステンシルで絵付けをして仕上げる「オリジナルエコバッグづくり」と、廃棄される花を再利用して仕上げる「押し花カードづくり」を行いました。楽しみながらエシカル消費を実践できると好評でした。
10月25日(金)オリジナルステンシル入りエコバッグづくり
運営:社会福祉法人 結の会 オフィス クローバー
![]() ステンシルで絵付け |
![]() オリジナルエコバッグ |
10月26日(土)押し花カードづくり
運営:(一社)アプローズ アプローズ南青山
![]() きれいに仕上げて |
![]() 押し花カード |
「体験コーナー」では、環境にやさしい東京の木の端材を使ったサイコロ・木メダルづくり、絵手紙教室、箱庭教材を使って身の回りの放射線を測定する実験や、持ち帰って実験できる太陽熱温水器のキットを作る体験など、親子で楽しく参加する姿がたくさん見られました。
![]() 木育体験 |
![]() サイコロと木メダル |
![]() 太陽熱温水器を作ってみよう |
![]() 放射線を測ってみよう |
![]() 絵手紙教室 |
親子で参加できる無料の体験コーナーとエシカルワークショップを開催しました。
出展エリアで各ブースから出題されるクイズに回答し、集めたスタンプの数に応じて景品と交換するクイズラリーを実施しました。クイズは展示内容に絡んで出題され、来場者はクイズラリー用紙を手に多くのブースを回って熱心に説明を聞いていました。クイズを糸口に、来場者と出展者の会話も弾みました。ブースを回って30個すべてのスタンプを集めて景品と交換する来場者も多く、楽しみながら消費生活を学ぶことができたと大好評でした。
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![]() クイズに答えてスタンプを押してもらいます |
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![]() クイズラリーの景品交換所 |
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・クイズラリーにつられて参加したが、興味関心がないコーナーにも立ち寄れて良かったです。
・いろいろもらえて荷物が大変!知らないこともたくさんありました。立ち寄ってよかったです。これから関心を持って暮らします。
・景品のエコバッグ、紙の資料が多すぎてちょっと困りました。
・いろいろお話が聞けて情報を得ることができました。一堂に会しているのはいいですね。
・初めて知った団体があり、いろいろと教えていただき楽しかったです。
・キャラクター登場が楽しかったし、各ブースでいろいろ学べて勉強になりました。
・本イベントは、開催場所が新宿駅ということもあり、集客力もあり、周知活動にもってこいの場所だと毎回感じております。継続して参加したいです。
・毎年参加協力と新入職員の研修も兼ねています。新入職員には直に消費者と触れ合ういい機会になっています。
・なんのイベントをやっているかが少しわかりづらいです。
・毎年来られているお客様がいらっしゃり、去年と比べてのコメントをいただきました。ご近所の方などが来られているのだなと実感しました。