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イベントレポート

日  時:令和5年11月9日(木)14:00~16:00
開催方法:ライブ配信(Zoomウェビナー)
参 加 者 :56人
主  催:東京都消費者月間実行委員会
講  師:渡貫 淳子さん
      (調理師 第57次南極地域観測隊調理隊員)

 世界的に食糧不足が懸念される一方で、大量の食品ロスが発生しています。この問題に対して私たち消費者ができることを考えるため、第57次南極地域観測隊に調理隊員として参加した渡貫淳子さんを講師にお迎えし、講演会「極地からの提案~無理なく楽しく食品ロス削減」を、ライブ配信にて開催しました。


笑顔が素敵な講師の渡貫淳子さん
 

 以下、講演会の報告です。

 

南極での調理

 南極の厳しい環境下、限りある食材しかない中で、調理で苦労したことや工夫したことなどをお聞きしました。

 

◇南極での調理と日本での調理の違いについて
 南極に食糧を運べるのは年に一度で補給はなく、買い忘れや途中でなくなるものもあるため、在る食糧を有効に使うことが大切です。シャキシャキした食感がある生野菜は特に貴重な食材で、キャベツは7か月保存して食べきりました。
 また、水は現地で供給できますが、利用量は限られています。水の汚染を示す指標の基準値まで処理して排水しなければならず、大量の水が必要になります。汁物の残りは流さず、生ごみとして処理機で乾燥させ、小さく軽くして焼却するなどの処理を行いました。日本に持ち帰るごみを増やさぬよう努力しました。

 

◇調理の工夫
 1つのメニューからその残りを活用したリメイク料理を多く作りました。例えばカレーライス→カレードリア→最後は鍋の縁についたカレーをこそげとってカレースープ、など。これはフードロス対策に加え、生ごみを減らす対策にもなりました。てんぷらうどんで余った天かすとたれ、あおさのりを混ぜた夜食のおにぎりは、カロリーが気になる夜遅い時間でもやみつきになるおいしさで、隊員に「悪魔のおにぎり」と名付けられ、喜ばれました。
 また、おせち料理を作ったり、餅つきや花見、氷山でのそうめん流しを行ったりして行事を大切にし、料理で季節の移ろいを感じてもらえるよう工夫しました。


講師資料:残り物を無駄にしないカレーライス

講師提供:厨房で
 

◇南極での生活
 南極での生活は厳しい自然のもと、水や電力、行動範囲などさまざまな制約がありましたが、基地では発電機の排熱を利用した温かいお風呂やバー、病院もありました。アザラシやペンギンたちとの出会いや南極ならではの楽しみもあり、充実した日々を過ごしました。


講師提供:冬の昭和基地
 

無理なく楽しく食品ロス削減

 帰国後、食品や情報があふれている状況に居心地の悪さを感じ、食材や環境を大切にした南極での生活で経験したことを日本での生活に生かせないか、と考えるようになったそうです。食材を無駄にしない工夫などを紹介いただきました。

 

◇食材を無駄にしないポイント

・消費期限と違い賞味期限はすぐに食べられなくなるわけではないので、自分で判断してできるだけ早めに食べられるものは食べます。

・根や皮を取り除く時は最低限にして、食品の過剰除去を防止します。

・残った食品を活用したリメイク料理を作って楽しみます。例えば緑茶の茶がらを利用したそぼろ丼や、残ったきんぴらなどのおかずを使った惣菜ケーキなど。

・在庫から献立を考えるのもポイントです。雑誌や新聞などのレシピを活用したり、レシピサイトでは食材名で検索したりする。在庫との組み合わせで色々な料理ができます。

・在庫の管理は中身の見える容器で保存したり見やすいところに置いたりして、自分がコントロールできる量に留めるのが良く、残すときには次の使い道を決めておくとよいです。

・買い物は頻度を減らし、買い物リストを持参し、見切り品をチェックします。また、食品ロスの削減につながる地産地消の商品を選ぶこともよいです。


次の使い道が記入されたパッキング袋
 

◇食品ロス削減への提案
 大事なことは、無理はしないように楽しめる範囲で行うこと。食べる人はおいしくいただきます。食品ロスを減らすことは環境問題につながります。まずは知ることで意識につながり、意識することで行動が変わる、それがスタートになります。

 

講演会を終えて

 オンラインならではの視聴者がリアクションボタンで参加するクイズや、南極で出会った愛らしい動物たちの写真、美しいオーロラの動画などを織り交ぜて、楽しくご講演いただきました。
 環境に負荷を与えない暮らし方を意識して、自分にできる小さなことから無理なく楽しく食品ロス削減を実践していくことが大切だと感じた講演会でした。


オーロラの動画を配信

当日の様子
 

視聴者との質疑応答より

 多くの質問が寄せられ、一つ一つ丁寧にお答えいただきました。一部を紹介します。

Q:南極地域観測隊に応募したきっかけについて教えてください。
A:どなたにも情熱をかけられる「好きなもの」「推し」があると思いますが、一言でいうと南極が私の「推し」でした。

Q:メニューは何種類くらいありますか?一番人気のあるメニューは何ですか?
A:食材は2000品目持ち込みましたので、メニュー数も多いです。隊員に好評だったのはカレーライスで、ごはんのおかわりが進みました。

 

視聴者アンケートより

◇食材を無駄にしないポイント

・講演、楽しくて面白かったです。水資源や食材を大事に使わなければと改めて思いました。

・実体験から講演いただいたため、とても印象に残りました。食品ロスやごみの削減では、処理の仕方など個人的にできることからやってみたいと思いました。調理の工夫も参考になりました。

・南極での限りある食材を上手に活用したアイディアも豊富な使い切り調理をお聞きできたのはとてもよかったです。地球にダメージを与えない消費生活をすること、今日の話を参考にします。

 
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