「くらしフェスタ東京2022 地域会場 八王子会場」では、講演会「SDGsを日常生活に取り込んでみよう!」を開催しました。八王子市のクリエイトホールに、SDGs講師のマリカ先生をお迎えして、SDGsをくらしの中で日常的に実践するヒントを伺いました。また、会場の講演の様子をオンラインでも同時配信しました。
SDGsの17の目標について、身近な体験や世界で起きている様々な事を例に、クイズを織り込んで分かりやすく解説していただきました。アシスタントのせーじ先生との掛け合いも息がぴったりで、最後は、豊かな自然をイメージしたマジックショーもあり、楽しく知識を深めることが出来ました。
以下は、講演会の概要です。
“SDGs(持続可能な開発目標)”という言葉は、もうみなさんご存じですね。国連で定めたSDGsには、すべての人々にとってより良い、より持続可能な未来を築くために、2030年までに達成すべき17の目標があります。日本には、まだ達成出来ていない目標がいくつかあります。
講師のマリカ先生(右)とアシスタントのせーじ先生 |
日本の地形や気候変動などの影響で、台風、豪雨、洪水、地震などの災害が、近年多発しています。せーじ先生は、阪神淡路大震災を経験しています。「割れた窓ガラスで避難できない」「冷蔵庫が宙を飛んできた」「消防車や救急車が火事の現場にたどり着けない」など、想定外のことがたくさん起こったそうです。
「阪神淡路大震災の時に人命救助したのは誰か」とのアンケートの問いに、「救助隊」と答えたのは1.7%で、94.9%の方が「自力で」「家族」「友人・隣人」と回答しました。地域に住む私たち一人ひとりが普段から「自助」「共助」「公助」の心構えを備えておくことが大切だとわかります。
私達は、救命講習を受講して、「上級救命技能認定証」を取得しています。先日体調不良で倒れた方に遭遇しました。私達は講習を受けていたので、居合わせた医療関係者の方々と連携して救助に協力しました。知識がないといざというとき動けないので、知識を備えていると安心です。
日常ではどんな備えが必要でしょうか。まずは物資のローリングストックです。普段から備蓄品を使い、常に新しいものを買い足す方法です。食品、水、カセットボンベ、使い捨てカイロなどが必要です。ラベルを貼り、賞味期限切れが分かるようにしておくと、食品ロス削減にも繋がります。ペットボトルを凍らせておく、カット野菜の冷凍などを常備しておくのもいいでしょう。
「地球温暖化」とは、温室効果ガス(CO₂、メタンガス、一酸化炭素、フロンガス等)が増えて、いわば、「地球が夏なのに冬用のコートを着て、暑い、暑いといっている」状態です。そうなると、北極や南極の氷が解け、海の水が膨張して、「海面上昇」が起こります。例えば、赤道下のツバル諸島は海面上昇で浸食され、島がどんどん狭くなり、いまや一車線の道路ほどの幅になってしまっている場所もあります。
また、生態系がくずれてしまいます。ここで地球温暖化に関するクイズです。「ウミガメのオス・メスはどのように決まるでしょうか?」正解は、卵の時の砂の温度で性別が変わります。孵化するまでの砂の温度が28度より高いとメスになるそうです。温暖化で砂の温度が上がったため、オーストラリアのウミガメのなんと、99%がメスになっているそうです。
シロクマ(ホッキョクグマ)は、2100年までに絶滅する可能性があると言われています。高山に住むライチョウは、気温上昇で山の上まで天敵が上がって来るようになり、絶滅危惧種になりました。海では、海面上昇で褐虫藻(サンゴの共生藻)が光合成をできなくなり浅い海で生育するサンゴが白化しています。沖縄県の広大なサンゴ礁、八重干瀬(ヤビジ)でも白化の範囲が広がっています。
近年、以下の要因で、地球上の森林が減少しています。
(1)「違法伐採」 その国や地域の法律を守らずに木を切ること
(2)「パーム油開発」原料のアブラヤシの実を取るため、アブラヤシを伐採
(3)「森林火災」 色々な国で温暖化が原因と思われる大規模森林火災が発生
森林の減少は、地球温暖化や動物の住処や生命に多大な影響を与えています。
最近、「カーボンニュートラル」という言葉をよく聞きます。これは2050年までに、CO₂を出す量と吸収する量をイコールにして全体としてゼロにする、という目標です。「電気をこまめに消す」「コンセントをこまめに抜く」など、出来ることをやって行きましょう。
海と言えば、プラスチックごみが問題になっています。2050年には海中の魚の量よりプラスチックごみが多くなってしまうと言われています。海のごみの8割は街から出ています。私は「ビーチクリーン」に参加して、海岸のごみ拾いをしていますが、毎回、ごみの量に驚いています。年間800万トン流出すると言われる海中のプラスチックごみ、中でも大きさが5mm以下のマイクロプラスチックを回収するのはさらに大変です。東京夢の島では、「シービン(Seabin)」というバケツ状の回収装置が稼働しています。ここで回収できる量は少ないですが、出来ることから始めていかなくてはいけません。
クイズに答える会場参加者 |
私が普段の生活で実践していることを5つご紹介します。
①「 繰り返し使えるものを持つ」 マイボトルやマイバック、蜜蠟を使った繰り返し使えるラップなどを使っています。
②「自然に還るものを使う」 例えば、竹の歯ブラシや大麦のストローです。大麦のストローは、洗って何回か繰り返し使えます。
③「バルクショップ(量り売りの店)を利用する」 容器を持参して必要な分だけ買うようにすれば、ごみが出ませんし、食品ロスもなくなります。
④「環境を考えたマークの商品を選ぶ」 FSCやRSPOなどの認証マークを参考にしています。
⑤「 交通手段を変える」 徒歩や自転車、公共交通機関を利用します。
他にも、「ビーチクリーンに参加する」「ムラサキウニ駆除(磯焼け対策)に参加する」ということも実践しています。
日本や世界では「次世代自動車の普及」や「ミドリムシが燃料に」など、明るい未来への取り組みも色々行われています。私達消費者は、無理せず、身近なところから取り組んで行きましょう。
最後はマリカ先生のマジックショーが開催されました!
SDGsの要素を取り入れて、豊かな海や、花のあふれる自然をイメージした、華やかで楽しいマジックショーで、会場は盛り上がりました。オンライン参加の方々からは、絵文字のリアクションがたくさん寄せられました。
楽しいマジックショー |
・参加者も考えながらの講演でしたので、内容が記憶に残り、楽しく参加させていただきました。また、オンライン参加できたことは大変ありがたかったです。楽しい講演をありがとうございました。
・持続的地球の為に、自分に出来る事をコツコツ実現して参ります。また、身近な方々にも知らせて、みんなで一緒に目標達成の為に頑張って参ります。
・5歳の息子と一緒に拝見しました。クイズがたくさんあり、「思ったよりも楽しかったね」と言っていました。たくさんクイズに正解できました。最後のマジックは「すげー!」と、びっくりしていました。初マジックを楽しんだようです。
・月に1回歯のクリーニングをしており、その都度新しい歯ブラシに交換するが、竹の歯ブラシは高いのか、歯医者さんにも聞いてみる。
・小さなことから大きな成果が出るように、地球を守るために、子供達に美しい地球を残すために、努力しなければと思います。
・面白かったです。クイズが笑えて楽しい♡2人のコンビでの講演が良かったです。バルーンアートも上手でした。
会場では、フードドライブを実施しました。品数で202点、重量で45kgの食品・日用品などが集まり、フードバンク八王子に寄付致しました。ご協力いただきました皆さん、ありがとうございました。
フードドライブに集まった食品の数々 |