消費者被害防止エリア
東京司法書士会

新型コロナウイルスに関連する消費者トラブル

 新型コロナウイルスの感染拡大により、各種契約の解除に伴うトラブルやコロナウイルスに便乗した悪質商法などが発生しています。また、経済的な困窮を狙って法外な利息等を請求する「給与ファクタリング」という新手のヤミ金融による被害が増えているため、ご注意ください。
 東京司法書士会では、相談事例をもとにQ&Aを作成しました。ここではその一部を掲載いたします。

東京司法書士会のご紹介

東京司法書士会創立100周年記念動画
<動画①:https://www.youtube.com/watch?v=RA-Ews7QYNE


<動画②:https://www.youtube.com/watch?v=5DIvs8k5wdw


公式ホームページ:https://www.tokyokai.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/tokyossassoc
公式Facebook:https://www.facebook.com/tokyoshihoushoshikai
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/shihotan_tssk/

電話による無料法律相談(司法書士ホットライン)を開催しておりますので、お困りの際にはご利用ください。※面談による相談の実施状況は東京司法書士会ホームページ等でご確認ください。

コロナ関連トラブルQ&A

Q.結婚式場をキャンセルしたら、キャンセル料を請求された
  4月中旬に結婚式をする予定であったが、遠方からの招待客や高齢者の参列者も多く、新型コロナウイルスに感染すると困るのでキャンセルしようと思い、式場に連絡したところ、「4か月間以内の日程であれば、手数料無料で日時変更に応じる」「解約の場合は、不可抗力ではなく自己都合によるため、規定により、今日だと45%、明日だと100%のキャンセル料がかかる」と言われた。
  また、日程を変更しても4か月間で新型コロナウイルスの蔓延が終息するとは思えないし、新型コロナウイルスは不可抗力の事態ではないのか。
A.(1) 物理的には結婚式の開催が可能であっても、社会通念上不可能であるような場合には、民法536条1項の「当事者双方の責めに帰することができない事由により債務を履行することができない場合」に該当し、料金を支払う必要はありません。
(2) 契約書又は約款に、不可抗力による免責に関する条項があるかを確認してください。当該条項の規定内容によって変わってきますが、新型コロナウイルスが当該条項の定める不可抗力に該当する可能性も十分にあります。
 ちなみに、旅行のキャンセルの場合には、標準旅行業約款に『天災地変、戦乱、暴動、運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止、官公署の命令その他の事由が生じた場合において、旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となり、又は不可能となるおそれが極めて大きいとき。』は、旅行者側からキャンセル料を払うことなく解除できる旨の規定(同約款募集型企画旅行契約の部第16条第2項第3号)があります。
(3) これらのいずれにも該当しない場合には、契約条項に定められたキャンセル料等の金額に従うことになります。ただし、その金額が「解除に伴って事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える」場合には、当該超える部分について消費者契約法9条1項によって無効となります。
(4) もっとも、購入した航空券・旅行費用・ホテル宿泊料などについて、契約に定められたキャンセル料の負担を減免するなどの特別の対応をしている事例も見受けられますので、留意してください。

ヤミ金トラブルQ&A

Q.給与ファクタリング
 事情によりお金が必要となったため、インターネットで検索したところ、「給与の債権を売れば金銭を受け取れる」「ブラックリストに載っていてもOK」「借金ではない」といった広告を出している業者を見つけ5万円を申し込んだところ、実際に振り込まれたのは手数料を引かれて3万円であった。翌月の給料日に全額返済しなければならないが、お金がない。どうしたらよいか?その業者は貸金業登録は受けていないようだ。
A.「給与ファクタリング」は、貸金業法第2条第1項に定める「貸金業」に該当するため、無登録で貸金業を行っている本事例の業者は「ヤミ金融」です。
 業としての貸付けで年109.5%を超える高金利は、10年以下の懲役もしくは3000万円以下の罰金またはその併科に当たる犯罪です(出資法5条3項)。本事例の業者は同条に違反し、刑事罰の対象となります。
 さらに、年109.5%を超える割合による利息等の契約をしたときは、当該消費貸借の契約は無効となり(貸金業法42条)、最高裁判所は、著しく高金利の貸付けは「不法原因給付」に該当するとして例外なく利息だけでなく元本返済不要、被害者の損害額から貸付金を控除できないとの明快な判断を下しています(平成20年6月10日判決)。そのため、本事例においても、一切の返済は不要と考えられます。

【解説】
(1) 本事例のように、「債権の買い取りなので金銭の貸し付けではない」などと宣伝する給与ファクタリングに関する相談が増加しています。
(2) 「金融庁における法令解釈に係る照会」に対して金融庁は令和2年3月5日、給与ファクタリングは貸金業法に定める「貸金業」に該当するとの回答をしています。
(3) 東京地方裁判所は令和2年3月24日、給与ファクタリング2件について、貸金業に該当し、貸金業法及び出資法違反により契約は無効、刑事罰の対象となる旨の判決を下しました。