消費者被害防止エリア
認定NPO法人 消費者機構日本

「消費者団体訴訟制度」の活用を!

 不当な勧誘や契約条項などによる消費者トラブルが後を絶ちません。こうした消費者トラブルの未然防止・拡大防止及び被害回復を図る制度が「消費者団体訴訟制度」です。このサイトでは、消費者団体訴訟制度の紹介と、この制度を活用した消費者機構日本の活動実績についてご紹介いたします。

1.「消費者団体訴訟制度」とは?

 私たちが消費者トラブルにあった時、被害者である消費者個人が加害者である事業者を訴えようとしても、情報量や交渉力などには大きな差があり、 訴訟には時間や費用、労力がかかることから、泣き寝入りしてしまう可能性があります。また個々のトラブルが解決しても、同じようなトラブルがなくなるわけではありません。このような場合に、事業者に対して内閣総理大臣から認定された適格消費者団体※が不特定多数の消費者の利益を擁護するために不当な行為の差止請求をしたり、特定適格消費者団体※が多数の消費者に代わって財産的被害の回復を求めたりすることができる制度を「消費者団体訴訟制度」といいます。

※適格消費者団体・特定適格消費者団体とは
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/collective_litigation_system/about_qualified_consumer_organization/

1.1 差止請求とは

 事業者が、「商品やサービスの重要事項について嘘を言う」などの不当な勧誘、「契約後のキャンセルは、いかなる理由があってもできない」などの不当な契約条項、商品やサービスが実際より著しく優れた内容であると誤認させる不当な表示などを行った場合に、適格消費者団体が、その不当な行為をやめるように求めることができる制度です。事業者が不特定かつ多数の消費者に対して不当な行為を行っている、または、行うおそれがあるときが対象となります。

<差止請求の流れ>
1.2 被害回復とは

 特定適格消費者団体が消費者に代わって被害の回復を求めることができる制度です。事業者の不当な行為など共通の原因により、多数の消費者に財産的な被害が発生した時に、特定適格消費者団体が多数の消費者に代わって行います。
<被害回復の流れ>
 特定適格消費者団体が、事業者の金銭支払義務の確認を求めて訴訟を提起(第1段階)し、事業者の支払義務が確定した後、被害を受けた個々の消費者の債権額(返金額)の確定(第2段階)が行われます。

 消費者は、第1段階の手続の結果を踏まえて、第2段階の手続への加入の有無を決めることができるため、泣き寝入りの減少が見込まれます。また、消費者が個々に訴訟を起こす場合に比べて時間・費用・労力が大幅に軽減することも期待できます。

2.不当な勧誘や契約条項などによる消費者トラブルにあった場合の連絡先

 まず個々の被害回復については、消費生活センターや消費生活相談窓口(消費者ホットライン局番なし188)にご相談ください。その上で、同種の消費者トラブルの未然防止・拡大防止や、集団的被害回復を図るために、適格消費者団体または特定適格消費者団体への情報提供をお願いします。

3.消費者機構日本とは

 差止請求を行うことができる適格消費者団体であり、被害回復も行うことができる特定適格消費者団体でもあります。詳しくはこちらをご覧ください。
 http://www.coj.gr.jp/about/index.html

3-1. 消費者機構日本の差止請求活動状況(2020年3月31日現在)

 2019年度の申入れの件数は、19件となりました。設立以来の累計では118件の是正をはかることができました。
<2019年度の事例>裁判外で是正されたもの
(銀行業)
 無担保カードローン契約規定で使用している「相続の開始があったときは、期限の利益を失ったとして相続人は被相続人の債務の全額を直ちに一括で返済する」旨の条項の削除を求めました。
→以下のように改善されました。
・無担保カードローン契約規定から、本件条項を削除。
・相続開始により直ちに期限の利益を喪失しない運用とする。

(ホットヨガスタジオ)
ヨガスタジオに係る広告において、随時実施しているキャンペーンの適用要件を明確にするよう申入れをしました。
→広告表示が以下のように改善されました
<チラシ>
・「適用条件」と表題がついた。赤字やアンダーラインが引かれた。字のポイント数が、少し大きくなった。
<ウェブサイト>
「詳細は下部にて確認ください」をクリックすると、適用条件に画面が移るよう修正された。

3-2. 消費者機構日本の被害回復活動状況(2020年3月31日現在)

 2016年12月の特定認定以降、累計11件(問合せ含む)、うち、3件について共通義務確認訴訟を提起しました。
<事例>共通義務確認訴訟に至った事案
(1)東京医科大学
 女性、多浪生等を不当に不利益に選考する事実を明らかにしていなかった入学試験の受験料返還を請求。
消費者裁判手続特例法に基づく共通義務確認訴訟の初めて裁判で、勝訴しました。現在、第2段階目の簡易確定手続きに移行しています。
※2020年10月10日をもって手続への参加申込をしめきりました。
(2)ワンメッセージ及び泉忠司(投資関連情報商材販売)
 確実にもうかる趣旨の文言での勧誘がされていたが、商品の内容はそのようなものではなかったため、代金返還を請求。
→係争中
(3)順天堂大学
 女性、多浪生を不当に不利益に選考する事実を明らかにしていなかった入学試験の受験料返還を請求。
→係争中

【参考】

政府広報オンライン
不当な勧誘や契約条項などによる消費者トラブルに遭ったら
「消費者団体訴訟制度」の活用を!
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201401/3.html

消費者団体訴訟制度パンレット(消費者庁作成)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/collective_litigation_system/about_system/public_relations/pdf/public_relations_190731_0001.pdf