誰もがくらしやすい未来へ~10月は東京都消費者月間です くらしフェスタ東京2019
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【メインシンポジウム】講演会とミニコンサート

イベントレポート

メインシンポジウム
「荻原博子さんに聞く 広がるキャッシュレス社会
~見えないお金との付き合い方~」


場 所:東京ウィメンズプラザホール
日 時:令和元年10月2日(水)
     13:30 第1部 ミニコンサート
         高市 紀子さん(フルート)
         中川 貴美子さん(ヴァイオリン)
     14:10 主催者挨拶
         東京都消費者月間実行委員会
         委員長 平野 祐子(主婦連合会)
     14:15 第2部 講演
         荻原 博子さん
         (経済ジャーナリスト)
     15:45 閉会
参加者:339人

 東京ウィメンズプラザホールにて、くらしフェスタ東京2019メインシンポジウムを開催しました。
 幅広い層に支持され、テレビのコメンテーターとしても活躍中の、経済ジャーナリストの荻原博子さんを講師にお招きし、急速に広がキャッシュレス社会の中で、私たちのくらしはどのように変わるのかについて、ご講演をいただきました。
 講演には手話通訳をつけ、また、保育を希望する若い層の参加もありました。
 300人以上の来場者からは、消費税が増税された、この時期に、大いに参考になったと好評をいただきました。

講演会

荻原 博子さん
荻原 博子さん

 キャッシュレスは便利なように思えますが注意しなければいけないこともたくさんあります。
 進んでいくキャッシュレス化の中で、私たちは何に気を付け、どうやって家計を見直したら良いのか、お話したいと思います。

1 「軽減税率」と「ポイント還元」


 今回、消費税を上げるに際し、政府は景気対策として二つの制度を導入をしました。食料品などに対する「軽減税率」とキャッシュレス決済時の「ポイント還元」です。
 まず、軽減税率ですが、同じ食料品でもイートインなら10%、テイクアウトなら8%と消費者にとっては分かりづらいものです。
 また、「ポイント還元」は来年6月までの期間限定で、ポイントの有効期間も各店舗によって異なります。今からクレジットカードを作りポイントを貯めても、期限までにカードの年会費分を取り戻せないかもしれません。まずは自分が頻繁に買い物に行く店舗で、今お持ちのカードを実際に利用してみてください。他のカードを慌てて作る必要はないと思います。

2 預金と投資


 日銀がマイナス金利を続け、お金を預かっても運用先がなく、金融機関は大変な状況です。銀行は、窓口に預金のためではなく、投資に来てほしいと思っています。みなさんにとって、預金には利息がつきますから「ノーリスク」ですが、運用して利息をつけなければいけない銀行にとっては「リスク商品」。反対に、投資商品は、投資する皆さんにはリスクがあるが、手数料が入る銀行にとってはノーリスク商品。戦後、日銀は経済を立て直すために、貯蓄教育をしていました。しかし世の中は180度変わり、政府も銀行も今は「投資」を推奨しています。
 しかし、昨年発表された金融庁の調べでは、銀行の窓口で投資信託を購入した人の実績を調査すると、約半分の46%の人が運用損失を出していました。(「投資信託の販売会社における比較可能な共通KPIを用いた分析」/金融庁)
 投資にはリスクがあることを、覚えておいてください。生活費ではない余分なお金の範囲で投資してください。

3 進む「キャッシュレス社会」


 今、社会全体がキャッシュレス化に向かっています。キャッシュレス社会では、インターネットを使いこなせることが大切です。
 銀行のインターネットバンキングでは、いつでもどこでも振り込みができ、窓口より手数料も安く、お金の流れを管理できます。高齢になると買い物に行くのも大変ですが、ネット注文で商品を届けてもらえ、ネット社会の恩恵は年を取れば取るほど多いと思います。
 但し、ネット注文による支払いは後払いとなるので、計画的な金銭管理が肝心です。

4 老後の二大不安は「介護費」と「医療費」


 老後の資金がいくら必要か、皆さんにとっても大変気になることと思います。老後の二大不安要素は「介護」と「医療」です。
 介護については、「介護保険」があり、受けたサービスの一割が自己負担です。しかも、負担が高額になると還付を受ける制度もあります。介護経験者に対するアンケートでは、必要な介護費用の平均は、一人500万円でした。
 医療についても、日本の「健康保険」は大変優れています。医療費が高額になった場合、「高額医療費制度」という、一定額以上かかった医療費を、申請すれば戻してもらえる制度があります。この制度は世帯合算することもできます。このような制度があるので高齢になると医療費はかさみますが、自己負担は減ります。入院期間も短い傾向にあり、医療費は一人100万円位と考えられます。
 介護費、医療費を合わせても、夫婦で1200万円程度の負担をみておけば良いと思われます。
 住宅ローンや教育費のかからない老後は、年金内で生活することを心がけましょう。
 そのためにも、財産の棚卸が必要です。現在あるプラスの資産とマイナスの資産、掛けている生命保険などを一枚の紙に書き出して、夫婦二人の視点から検討します。家計の現状を把握し何が節約できるか、夫婦二人で考えて協力して話し合うことが大切です。

5 「生命保険」と「通信費」


 節約のために見直しが必要なのは、支出が年々増えている生命保険と通信費です。
 生命保険は一見複雑に見えますが、「死亡保障」と「医療保障」の二つで、どちらも掛け捨てです。
 お金が戻ってくるという保険は、これらの補償に貯金をセットしているもので、金利の低い今、手数料を取り戻すのも難しいのが現状です。
 日本の社会保障は大変しっかりしています。公的年金には、
①将来もらう「老齢年金」②けがや病気で障害を負った時だけではなく、うつ病になった時にも支給される「障害年金」③大黒柱を失った時に家族の生活を支える「遺族年金」の三つがあります。
 サラリーマンのご主人が専業主婦の妻と2人の子供を残して他界した場合、子供が18歳になるまで月々およそ15万円の遺族年金が支給されます。住宅ローンも団体信用生命がついている場合が多く、遺族は返済を免れます。これで妻がパートに行けば、民間の生命保険に加入していなくても、残された家族の生活は成り立つと思われます。
 しかし、子供の教育費には備えが必要です。日本は残念ながら、先進国の中で、大学などの高等教育に国がお金を出さない国の一つです。子供が社会人なるまでは、子供1人につき1000万円位の死亡保障を付けておく必要があります。
 新しい保険や特約に惑わされず、社会保障の内容を理解して、どの位の補償が必要か家族で良く話し合いましょう。無駄な保険を一度整理するとよいでしょう。
 通信費も様々なプランがありますが、契約会社に問い合わせ、自分の家庭の使用履歴に合ったお得なプランに変更することが必要です。コールセンターに電話をすると、その場で契約の変更が可能です。「格安スマホ」も、メールアドレスを変更する必要がある事や、通信速度が遅くなる時間があるなどの点を良く考慮して利用してください。通信費を大幅に節約できる場合があります。

6 「長期投資」と「分散投資」


 現在、投資の二大セオリーは「長期投資と分散投資」といわれています。しかし、これについては、私は非常に疑問に思っています。
 30年前に世界がこんなに多極化すると想像できた人がいたでしょうか。長期を見通すのは大変難しく、現金が必要な時に値上がりしているとは限りません。長い間手数料をとれる長期投資は、売る側にとって都合がよいのではないでしょうか。
 「分散投資」をすすめる際によく、「卵をいくつかの籠に分けて入れておけば1つを落としても残りは無事で安全だ。分散投資はリスクヘッジになる」と聞かされます。しかし、リーマンショックなど世界的な経済危機が起こると、株、債券、為替も一気に暴落し、全ての卵は割れてしまいました。
 投資の常識が本当なのか、一度冷静に考えてみると良いです。

7 「長生きリスク」には現金


 今、人生は100年の時代です。この「長生きリスク」に対応できるのは現金だけです。
 私は、バブル崩壊以降、「借金減らして現金増やせ」をスローガンにしてきました。不良債権を処分し、資産を増やしてきた日本の大手企業の経営方針も同様です。
 皆さんも家計を見直し、無駄な支出を抑え、安定した老後のために「借金減らして現金増やせ」を心に刻んでいただきたいと思います。

講演の様子
講演の様子

ミニコンサート

Duoの愉しみ~バロックからタンゴまで~

 講演に先立ち、フルート奏者の高市紀子さんとヴァイオリン奏者の中川貴美子さんによるミニコンサートを開催しました。バッハからタンゴまでの、幅広い曲目をお楽しみいただきました。

フルートとヴァイオリンによるミニコンサート
フルートとヴァイオリンによるミニコンサート
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