もっと広げようコミュニケーションの輪~未来を拓く消費活動~10月は東京都消費者月間です くらしフェスタ東京2018
交流フェスタメインシンポジウム東京の農業応援企画エコプログラム地域会場協賛事業
【地域会場】多摩、大田、八王子で開催

イベントレポート

日  時:平成30年10月26日(金)
      10:00~15:00
場  所:東京都多摩消費生活センター
主  催:東京都消費者月間実行委員会
後  援:昭島市 国分寺市 立川市
参加人数:323人
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“たまらんにゃ~”たちも登場しました

 “くらしフェスタ東京2018地域会場 多摩会場”を、東京都多摩消費生活センターにて10月26日に開催しました。この事業は、消費者団体と東京都が協働して行っている東京都消費者月間事業の一つで、多摩地域の消費者団体を中心に、今年度も、準備から広報まで協力しながら進めました。当日は、会場の盛り上げ役として、東京都の“多摩の魅力発信プロジェクト”マスコットキャラクター“たまらんにゃ~”や立川市のキャラクター“くるりん”も登場し、近隣の保育園から小さなお子さんたちも会いに来てくれるなど、大勢の方にご参加いただきました。

3階 教室での展示

 日頃から多摩地域で活動している消費者団体が、パネル展示による報告を行いました。
 多摩の大気を調査した結果を示したマップ、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」と「SDGs」、消費のあり方を考えるフェアトレードやエシカル消費などについて紹介がありました。
 消費者団体の活動を知っていただく良い機会となりました。

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消費者団体のパネル展示

屋外 特設テントにて

『多摩の地場産品直売市』『多摩のお花で寄せ植え講習会』

 センター敷地内に設置したテントでは、多摩の農家から届いた産直野菜や、多摩産の食材を使ったコロッケなどの販売が行われ、売れ行きも好調でした。昨年に引き続き、フェアトレードコーヒーも販売し、試飲を兼ねて1杯100円で提供しました。さらに、今年は立川福祉作業所「麦2(ばくばく)」の協力でおいしいパンの販売もあり、大変な人気となりました。
 また、お花の苗の直売と、毎年好評の寄せ植え講習会(実費1,000円)も行い、多摩のお花に親しんでいただく良い機会となりました。

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毎年好評の寄せ植え
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賑わう多摩の地場産品直売市

3階 実習室にて

『たま鍋試食』『東京牛乳試飲』『糖度テスト』

 3階実習室では、多摩の食材を知っていただこうと、多摩産の野菜などをふんだんに使った豚汁『たま鍋』の試食が行われました。東京ブランドとして売り出している豚肉“Tokyo X”をはじめ新鮮な人参やごぼうが入り、大根の葉や長ねぎがたっぷりトッピングされた温かい一杯は皆さんに好評でした。アンケートには多くの方から「おいしくいただきました」との感想があり、多摩で栽培される農産物のアピールとなりました。
 また、西多摩地域の酪農家で作っている『東京牛乳』の試飲も行いました。
 同じ会場で、『糖度テスト』も行い、各自が好みの甘さに薄めた飲み物には、どのくらいの砂糖が含まれているのか説明を受けることができました。

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大鍋で作った“たま鍋”
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糖度テストの様子

講演会・映画上映 (3階教室にて)

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関野先生

【講演会】
『探検家 関野吉晴が語る命の原点』
講師:関野吉晴さん(探検家・医師) 時間:10:15~11:45

【映画上映】
『カレーライスを一から作る』
時間:13:00~14:30

 今年度は、探検家で医師、そして武蔵野美術大学文化人類学教授の関野吉晴さんにご講演いただきました。アマゾンに暮らし、ヒトが大陸を渡って住む場所を広げていった足跡を辿り、また食の原点を探る試みとして、学生達とカレーライスを一から作るゼミを開催した体験談は、非常に興味深いものでした。
 午後は、このゼミの実際の様子を撮ったドキュメンタリー映画を上映しました。

<講演の内容>

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講演会の様子

image自然の循環と人
 命の原点という話をしますが、私たちは生き物の命を食べて生きています。動物だけではなく植物も生き物です。クジラやイルカはかわいいから、人に近い生き物だから守ろうというのは、人間中心の考え方です。
  私がこう思い至ったのは、菌類の研究家で環境運動家の伊沢正名さんとの出会いがあったからです。伊沢さんは、今の生活では水洗便所の汚物は乾かして固めて焼くという処理をしていて、自然の循環から切り離され、土のためにはなっていないことに疑問を持ちました。人の排泄物も本来は、土で分解され、土地を肥やし、また新たな生き物の糧になりそれを私たちが食べるという循環であるはずなのです。アマゾンで暮らすと、物も食べ物も出所(育つ過程)が分かるものだけでできていることに驚きます。日本では、どこでどんな人が、何を使って作ったものか分かる物がどれだけあるでしょうか。アマゾンでは、人間も自然の一部であり、完全に循環していることを実感できました。

imageヒトの起源
 今では、人類の起源がアフリカであることは皆さんもご承知のとおりです。氷河時代、水面は現在より約120mも低く、ベーリング海峡は陸続きでした。現在のユーラシア大陸から陸続きのアメリカへ渡り、南米の最南端まで拡散したのです。
 700万年前の初期人類から、それに続くホモ・エレクトスまでは狩りをしませんでした。ヒト(の前身)は獣に狩られていたのです。その後道具を作り、その道具でまた道具を作ることを覚え、食物を加工しました。例えば、チンパンジーは手に入れた食物をその場で食べますが、人は持ち帰り、それを仲間みんなで分け合います。そうやって分け合ったグループは生き残り、家族だけの狭い範囲で生活したグループは滅びました。元々生き残ろうとしてしたことではないと思いますが、たまたまそれがうまくいったので、規範になり生き残っていったのです。
 また、人類がアフリカを出る時は黒い肌をしていましたが、突然変異を繰り返し様々な色になっていきました。フランスのラスコー洞窟で発見された先史時代の壁画では、人が黒く描かれていました。つまり、人類の起源は一つなのです。

image日本への南ルートを行く
 手作りの帆船「縄文号」でインドネシアから海を渡り石垣港へ至るという、アフリカから人類が世界を目指した南ルートを辿る旅を計画しました。
 まず、九十九里浜での砂鉄取りから始め、たたら製鉄で道具を作ります。そして、インドネシアで木を探して切り倒し、作った道具でカヌーを彫ります。それを山から川を通って海辺へ降ろし、鉄くぎと油で仕上げます。油はカヌーの耐久性を高めます。これで1年が経ちました。
 いよいよ日本への航海が始まります。インドネシア人の漁師と一緒に月明かりを頼りの航海です。南の水平線には南十字星、北の水平線には北斗七星が見えます。こうして2年かけて石垣港へ到着しました。この経験から、自然を人間がコントロールすることはできないことを学びました。

imageカレーライスを一から作る
 次に、武蔵野美術大学の学生達と「カレーライスを一から作る」というテーマで課外ゼミを行いました。アマゾンでは当たり前の、作物を育て収穫し、狩りをして食糧を手に入れ捌いて調理する過程を、日本の学生たちは知りません。カレーを一から作ろうとすると、まず米や野菜を手にするために、農地を耕し、種を植えて収穫をしなければなりません。鶏肉は、卵からヒヨコを育て、捌いて加工するという過程を体験することになります。一人の学生は、一般に売られている配合飼料で育った鶏肉を食べられないと言いました。それだけ自分で育てた鳥が自然だったということです。
 これらは学生たちにとって貴重な経験となり、このゼミを通じて学生たちは、自然や食についての多くの「気づき」を得ることができたのです。

<映画>

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映画上映の様子

 自然と人間を探求してきた自身の体験を学生たちに伝えるために、一からカレーライスを作ることを計画した関野先生と、自主的に参加したゼミの学生たちが、先生の指導のもと、苦労しながら時間をかけてカレーができるまでの過程に取り組む姿がそのまま映し出され、見ている側も、ゼミ生と同じように様々な気づきを得ることができました。
 自分たちの毎日の暮らし方を振り返り、見直し、新たなくらしのヒントを与えてもらうことができました。

参加者アンケートより

【講演・映画について】

  • 人間も自然の一部だと考えるかどうかで、生き方が変わってくる。自然をコントロールすることはできないという言葉を重く受けとめた。食の大切さもよくわかった。
  • 消費は、人の問題だけでなく地球全ての生き物から見た消費、循環という視点から考えることができた。体験することが大切だと感じた。
  • 田舎で育ち、鳥を飼い絞めて調理するという生活をしていた。子供たちに、命についてどのように伝えていくか考えたい。自然と人の共存に希望を持ちたいと思う。
  • 一から食材を作り食べる経験を通じて、命をいただくことを映像から実感することができました。とてもよかったです。

【その他】

  • 東京の食材で作ったたま鍋がとてもおいしかった。
  • 寄せ植えが楽しかった。来年も参加したい。
  • とても有意義な会でした。今後もこのようなイベントをお願いします。

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