もっと広げようコミュニケーションの輪~未来を拓く消費活動~10月は東京都消費者月間です くらしフェスタ東京2018
交流フェスタメインシンポジウム東京の農業応援企画エコプログラム地域会場協賛事業
【地域会場】多摩、大田、八王子で開催

イベントレポート

日  時:平成30年11月11日(日)
      13:30~15:30
場  所:大田区立消費者生活センター
講  師:桃井 貴子 さん
      (特定非営利活動法人気候ネットワーク東京事務所長)
主  催:東京都消費者月間実行委員会
参加人数:69人

 東京都消費者月間事業地域会場 大田会場では、気候ネットワーク東京事務所長の桃井貴子さんを講師に迎え、「地球温暖化を考える~いま私たちに何ができるのか~」というテーマでお話を伺いました。


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桃井貴子さん

 気候ネットワークは1997年、京都議定書が採択された地球温暖化防止京都会議(COP3)後の1998年に設立されたNPO/NGOで、毎年開催されている気候変動の国際交渉(COP)に参加しています。


 連日続く高温注意報、集中豪雨等で、今年の夏ほど地球温暖化を感じた年はなかったのではないでしょうか。でもこれから何年か後には、2018年の夏は序の口だったと思えるようになるかもしれません。グリーンランドの氷が溶け続けており、氷がすべて溶けたら海面が7メートルも上昇します。すでに海面上昇も起きていますが、今後太平洋の小さな島国や、沿岸部の海抜が低い地域では世界中で水没する所が増える、そんな大変な危機が迫っているのです。


 地球規模で温暖化対策を取らなければならない時が来ています。そのために京都議定書に続く国際的な枠組みとしてパリ協定は発効しました。パリ協定とは、地球温暖化防止を目指して温室効果ガスの排出を2020年以降に減らしていくための国際的なルールです。
 この協定では、世界全体として以下の事項に取り組むことが決まりました。


  • 気温の上昇を産業革命前に比べて2℃を十分に下回り、1.5℃に抑えるように努力する
  • 世界全体の温室効果ガスの排出量をできるだけ早く減少に転じさせて、今世紀後半には実質的にゼロにするよう削減に取り組む
  • 5年ごとに温室効果ガスの削減目標を提出し、レビューすることを義務付ける

 気候変動は、化石燃料(石炭、天然ガス、石油)を掘り起こして燃やすことにより排出されたCO2が大きな要因です。世界では、再生可能エネルギー100%を目指して、脱石炭・脱化石燃料・脱原発の動きが加速しています。特に先進国の多くが遅くとも2030年石炭全廃を目指して取り組んでいます。金融業界では、化石燃料関連企業からの投融資引揚げの動きも見られます。


 一方、日本の温暖化対策は非常に遅れています。日本の温室効果ガス削減目標は、2030年に2013年比で26%削減です。それに対して、環境NGOの「Climate Action Tracker」は、日本の温室効果ガス削減目標を「極めて不十分」と評価しています。
 世界では再生可能エネルギーへのエネルギー転換が進む中、日本では35基もの石炭火力発電所の新設計画があります。このうち東京湾岸に3か所もあるのです。環境省の「電力レビュー」(電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価)でも、「石炭火力発電所の新設・増設計画がすべて実行されると削減目標を超過する」と発表されており、パリ協定を守れないことが懸念されます。また国内の石炭火力発電所計画が稼働した場合の大気汚染物質やPM2.5の増加も懸念事項です。


 しかしながら、昨年来、日本でも自然エネルギー100%宣言をする企業や、自治体、大学も増えてきました。こうした動きを加速化することが最も重要です。今、脱炭素社会を目指す、エネルギー政策の抜本的な見直しが必要です。そのためには私達も自ら脱炭素社会を目指し、どうしたら実現できるかを考えて行動していきましょう。


わたしたちにできること
 ~脱炭素社会を目指すために~
1.再生可能エネルギー優先の電力会社に切り替える
2.自宅に太陽光パネルを取り付ける
3.省エネ型住宅への切り替え
4.車に乗る生活の見直し
5.プラスチック製品は買わない、使わない
などなど。


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熱心に受講する参加者の皆さん

 私たち一人一人の省エネといっても限界があります。私たちが声を上げて、今の日本の実情、世界の実情を多くの消費者に知っていただく必要があります。地球がこのままでは危ないのだということを多くの人に伝え、再生可能エネルギーへの転換、脱炭素社会を目指しましょう。そしてエネルギー政策や気候変動について関心を持ち、真剣に考えて行きましょう。

参加者の感想

  • 今、世界で何が起こっているのか、日本における姿勢はどうあるべきか。世界の動きの中で示していただき、理解が深まりました。
  • 「地球温暖化」を、とても身近な問題として考えられるようになりました。
  • 自分の身の回りでできることから少しずつ進めていこうと思った。
  • 国際的な動向や理論、政策上の提言は大変貴重で十分に伝わったが、電力自由化や産業界、消費者レベルの費用負担等の現実問題として、いくつもの障壁があると感じた。

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