もっと広げようコミュニケーションの輪~未来を拓く消費活動~10月は東京都消費者月間です くらしフェスタ東京2016
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【東京のがんばる農業応援企画】 身近な都市農業を知ろう

イベントレポート

日 時 :平成28年11月16日(水)8:00〜15:00
見学先 :青梅市内の農家、直売センター
交流会 :青梅市 霞共益会館
主 催 :東京都消費者月間実行委員会
共 催 :東京都農業経営者クラブ、一般社団法人東京都農業会議
参加人数:見学会  36人
      交流会  67人
 平成20年より始めた東京の農業を巡るバスツアーは今年で9年目となり、今日は青梅市で実施しました。
 東京の農業に関心の高い方から多数の応募をいただき、抽選の結果当選した36名とスタッフが、JR立川駅近くのJA東京第2ビル前からマイクロバス2台に分乗して、一路青梅市に向けて出発しました。

JA西東京かすみ直売センター

 最初に、青梅市新町にある「JA西東京かすみ直売センター」を訪問しました。
 夏場の天候不順の影響で、野菜の価格が高止まりする中、青梅産の多様な野菜を中心に、お茶やお菓子類、花の苗、植木等が販売されていました。

中村芳男さんの野菜生産

次に、藤橋にある「中村芳男さんの野菜生産地」を訪問しました。

特徴
 ガラス鉄骨ハウスをメインに、キュウリ・トマトなどを栽培する野菜経営をしています。

栽培施設・労働力
 労働力は夫婦のみで、約40アールの畑と約23アールの水田、ガラス鉄骨ハウス2棟を管理しています。

主な栽培品目
 ハウス内:キュウリ(品種:アンコール10)、トマト(品種:桃太郎ファイト)、野菜苗
 露地栽培:ナス、ニンジン、カボチャ、ホウレンソウ、馬鈴薯など

主な出荷・販売先
 庭先、JA西東京かすみ直売センター、青果市場(キュウリのみ)

経営の特徴
 トマトは減農薬栽培で「東京都エコ農産物認証制度」の認証を取得しています。大玉で味の良さが人気で、遠方からの客も多く、庭先販売で売り切れてしまうほどです。
 また、畑に堆肥、油粕を施用するなどし、連作障害を回避するための土作りを重視しています。
 さらに、ナス、キュウリ、スイカは手間がかかりますが「接ぎ木」をして、できるだけ土からの菌を防ぐ工夫もしています。

 参加者はガラス鉄骨ハウスの入り口付近に入れていただき、まさに明日収穫されるキュウリを目前にして、感嘆の声を上げていました。
ガラス鉄骨ハウスの中

吉田欣司さんの酪農経営「物見塚牧場」

3番目に吉田欣司さんの酪農経営所、通称「物見塚牧場」を見学しました。

ポリシー
 「おいしい牛乳は健康な牛から採れる」、さらに「未来ある子供たちに安全な牛乳を届けたい」との熱い思いを持っています。

牛の飼養頭数
 成牛は26頭、育成牛は5頭で、そのうち生後6~7か月の2頭は北海道へ預託して足腰を鍛えています。1年に1回人工授精をして1年に1産を目指すというサイクルで、平均5回お産をします。昨晩、初産で子牛が1頭産まれました。
 牛に「アイホニー」などの名前を付けて、顔も見分けることができます。

労働力
 普段は夫婦のみで、月に一度「酪農ヘルパー制度」を活用していますが、殆ど年中休みなしです。後継者はいません。

搾乳と出荷先
 1日に2回(朝と夜)搾乳し、1頭あたり年間7,000~8,000キロリットルの生乳を生産します。
 それを協同乳業に出荷し、多摩地域の生乳のみをパックした「東京牛乳」となります。今日絞った生乳が翌日に出荷されているのです。

吉田さんのこだわり
  • 牛の糞の固形物を発酵させて堆肥にして販売し、野菜農家や市民農園、家庭菜園の愛好家から好評を得ています。
  • 檜原村から取り寄せたおが屑を牛舎の中に敷いています。
  • 牛が元気に餌を食べているかどうか、牛の健康が一番大切だと思って衛生管理などに気を使っています。
牛舎

内沼秀夫さんのきのこ園「内沼きのこ園」

 4番目に、内沼秀夫さんのきのこ園に伺いました。

コンセプト
 自然と共生しながら癒しの場を提供するキノコ観光農園=「キノコ狩り」という収穫体験ができる!をコンセプトにしています。
 「生産から消費まで顔の見える関係」を重視し、観光農園で都会の人々に癒しの場を提供するのも農業の役割と考えています。

主な栽培施設
 施設:栽培用ハウス4棟(主に椎茸の通年栽培)
 屋外:自然発生用の原木(春と秋の2回)

労働力
 夫婦と娘、パート2人、アルバイト1人

栽培品目
 主力は椎茸(原木生椎茸F954号)
他に、舞茸、クリタケ、ヒラタケ、ナメコ、漢方薬に使われるレイシなど

販売方法、出荷先
 キノコ狩りの客数は年間1万人を超すほどで人気があり家族連れも多く、約7割をキノコ狩りで直売しています。その他、都内のスーパーへも出荷しています。

こだわりの椎茸の原木栽培
 市販されている椎茸の殆どがおが屑を使った菌床栽培ですが、ここでは全て原木を使って栽培しています。原木(主にナラ)は以前は福島県から入手していましたが、原発事故後、原木が手に入りにくく高額になり、今は山梨県や長野県から取り寄せています。
 原木1本(約10kg)を約2年間使い、約1kgの椎茸が収穫できます。その後の原木は中がスカスカなおが屑になり、それだけでは栄養分が不足するので、添加物を加えて菌床栽培に再利用できるようにします。
 キノコには旨味成分(グアニル酸)が入っていて、カサの内側で生成されます。原木栽培は、キノコ本来の「旨味」「香り」「歯ごたえ」が味わえます。キノコには薬事効果もあり、だからこそ原木に拘っています。
 また、原木は伐採すると根が生きているので萌芽再生します。
 このように、キノコの原木栽培は、人間と自然とが共存共栄できる循環型農業といえます。

バーベキューやキノコ料理のカフェを栽培用ハウスの隣に併設
 自分で採ったキノコをすぐに味わうことができ、好評です。

生シイタケを育てている原木のほだ木

昼食・交流会

 産地見学の後、青梅市の霞共益会館にて、青梅市農業経営者クラブに所属する生産者の皆さんや青梅市農林課の職員も交え、六つのグループに分かれて昼食と交流会を開催しました。
 生産者の取組について伺った後、消費者と生産者、行政職員がそれぞれの立場から自由に質問したり、意見の交換をしたりしました。
交流会の様子
 車窓を流れる紅葉を愛でながら、東京都の広さと自然の豊かさ、懐の深さを改めて体感し、東京の農業や酪農への理解を深めることができた一日でした。

【参加者からの主な感想】

  • 生産者の方々のたゆまぬ努力や熱意を改めて知り、応援したいと思います。
  • 自宅近辺には農地がないので、東京の農業を知る良い機会となりました。今日学んだことを近隣の友人たちに伝えます。
  • 短時間にいろいろと学べ、生産者の方々には想像以上にご苦労があると知りました。是非後継者を育てて持続していくことを願います。
  • 東京にも酪農家がいることを初めて知り、感激しました。今度スーパーで東京牛乳を見つけたら、吉田さんの「物見塚牧場」のことを思い出すでしょう。
  • 都会では原木椎茸はなかなか入手できないので、今日購入できて嬉しいです。食べきれなかったら冷凍保存して、後日また味わいます。