もっと広げようコミュニケーションの輪~未来を拓く消費活動~10月は東京都消費者月間です くらしフェスタ東京2016
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【地域会場】 多摩、八王子、大田で開催

イベントレポート 大田会場

 大田区立消費者生活センターにて、東京都消費者月間事業2016地域会場大田会場で、講演会「食品ロスを福祉に活用する仕組みづくり~フードバンク山梨の活動から~」を開催しました。
 食品ロスとそれを福祉に活用する活動や、子供の貧困などについてお話を伺いました。
日  時:平成28年11月26日(土)13:30?15:30
会  場:大田区立消費生活センター
講  師:米山 けい子さん
      (NPO法人フードバンク山梨理事長、全国フードバンク推進協議会代表)
主  催:東京都消費者月間実行委員会、大田区
参加人数:59人

1.フードバンクとは?

(1)フードバンクとは
 安全に食べられるのに、箱が壊れたり、印字が薄くなったりして販売できない食品を企業などから寄贈し   てもらい、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供する活動です。「もったいない」を「ありがとう」に変える活動です。
 企業にとっては廃棄コストの削減となり、地域の社会貢献にもなります。

(2)日本の食品ロス
 日本は6割の食料を輸入に頼っていますが、それにもかかわらず、毎年捨てられる食料は2797万トン、まだ食べられるのに捨てられる食料は632万トンにのぼります。このうち半分は家庭からの食料302万トンです。(データ:食品ロスの削減に向けて - 農林水産省より)

2.フードバンク山梨の取組

(1)活動を始めたきっかけとは?
 「日経スペシャル ガイアの夜明け」という経済ドキュメンタリー番組を見てフードバンクを知り、2008年10月にフードバンク山梨というボランティア団体を設立し、第1回食品配布を始めました。2009年にNPO法人格を取得し、2016年10月に認定NPO法人になりました。

(2)大事にしてきた市民参加のフードドライブ
 「フードドライブ」とは、一般家庭にある食品を寄付し、寄付された食品を福祉施設や困窮世帯に提供する活動です。市民同士が助け合う「共助」の関係を築くことにつながります。また、寄付者自身が食品ロスや貧困問題を考える機会になり、市民のフードバンクに対する認知度向上にも貢献することができます。

(3)大切な市民によるボランティア活動
 食のセーフティネット箱詰め作業や、賞味期限チェック、お米の袋詰め作業など、昨年度は年間522人がボランティア参加しました。

3.アメリカのフードバンク

 アメリカはフードバンク発祥の国で、1967 年に活動開始し、フードバンク団体は203団体あります。フードバンクから食料支援を受けている人は全米で約3700万人、そのうち1400万人(38%)が子供です。(データ:”Feeding America” http://feedingamerica.org/より)
 企業、個人からの寄付、政府からの助成金が主な収入源で、郵便局の全面的な協力などもあります。

4.食のセーフティネット事業~山梨モデル~

 行政と連携してセーフティネットを作ったのは、フードバンク山梨が初めてです。連携機関は49に増加しています(2014年11月現在)。「命を支える食と心のきずなを届けます」を謳い文句とし、月2回、最大3か月困窮世帯へ宅配便で食品と手紙を配送するという食料支援をしています。
 子供の人数、アレルギーの有無等が記載されている個人別ファイルをもとに、約100世帯へ、1~2人世帯は平均7Kg、3人以上の世帯は平均12Kgを目安に配送します。

(当日配布資料より)

5.フードバンクこども支援プロジェクト

(1)子供の貧困
 厚生労働省によると、子供の貧困率は16.3%、6人に1人が「相対的貧困」で、ひとり親家庭の相対的貧困率は50.8%と世界最悪です。
(データ:平成25年国民生活基礎調査- 厚生労働省より)
 また、77%の世帯が、2012年国民生活基礎調査の貧困ライン122万円未満で生活しています。(フードバンク山梨食生活調査結果による)
 以前は、貧困とは海外の子供のことだと思っていて、自分の身近にいることに気付きませんでした。子供がたとえスマートフォンを持ち、身綺麗にしていても、見た目からは分からず、生活は非常に深刻になってきているケースが多々あります。

(2)子供支援
 2015年夏、全国初の「フードバンクこども支援プロジェクト」を始めました。これは、給食のない夏休みに子どもがいる生活困窮者世帯に5週連続食料支援を行う取り組みです。加えて、サッカーの試合でフードドライブを実施し、県立高校や私立大学、専門学校ではスクールフードドライブが広がりました。さらに、元教師や塾講師による学習支援や、ロータリークラブの協力によるバーベキューやニジマス釣りも実施しました。
 現在は「冬のフードバンクこども支援プロジェクト」を始動し、この冬、1000人の子供に幸せなクリスマスを届けたいと思っています。

6.利用者の声

 食料支援をしている方々からは、「感謝してもしきれません」「支えてくださる人がいることがどれほどありがたいか。私も頑張らなければとその度に思い直します。」など、近況や思いを綴る返信はがきが、2500通以上届いています。

7.賛同から参加へ

 賛同だけでは解決になりません。時間の寄付、お金の寄付、食品の寄付などによって、一人一人がこれから一歩前へ踏み出して参加してほしいと思います。そして、子供たちの未来を笑顔で満たしていきましょう。

質疑応答

  • Q1.支援が月2回3か月という期限はなぜ設けるのですか?
  • A1.有期限としているのは、自立を妨げないためです。行政と連携しているので、状況改善の様子により、行政と協議の上で期限を見直すこともあります。
  • Q2.フードドライブの食品の内容は?
  • A2.米、菓子、カップラーメンなどです。浮いたお金で栄養価の高い物や生鮮食品を自分で買ってもらいます。

参加者の感想

  • フードバンクについて、テレビで放映されていますが、現場の声が聞けてとてもよかったです。協力したいと思います。
  • 日本の子供の貧困率の高さを初めて知りました。
  • 米山さんが身近なところから地道に少しずつ問題解決されており、その行動力は素晴らしいと思います。