もっと広げようコミュニケーションの輪~未来を拓く消費活動~10月は東京都消費者月間です くらしフェスタ東京2016
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【地域会場】 多摩、八王子、大田で開催

イベントレポート 八王子会場

 来年、八王子市は市制100周年を迎えますが、八王子市生涯学習センター11階視聴覚室にて、東京都消費者月間事業2016地域会場八王子会場で、講演会「これだけは知っておきたい電力自由化のポイント」を開催しました。
 本年4月より始まった「電力自由化」への関心の高さから、会場は熱気に包まれていました。
 当日の講演概要をご紹介します。
日  時:平成29年11月25日(金)14:00〜16:00
会  場:八王子市生涯学習センター(クリエイトホール)11階視聴覚室
講  師:辰巳 菊子さん
     (公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 常任顧問)
主  催:東京都消費者月間実行委員会、八王子市
参加人数:51人

1.持続可能なくらしとは?

 いのちをつなぐことができ、ずっと続いて無理がない「安心できるくらし」のことで、その実現に向けて消費者にできることは「賢明な商品選択・購入をし、それを上手に使うこと」です。
 私たちの「購入」という「選択」が「未来世代のくらしを決める」という事実を認識し、特にエネルギーの持続可能性について重要視しましょう。

2.持続可能なエネルギーへの気づき

 5年半前、東日本大震災後の福島第一原子力発電所の事故後、計画停電や電気料金の値上げを経験した私たちは、これまで電気について無関心すぎたことに気づきました。そして、持続可能なエネルギーとは何か、電気の一生や電源を知りたい、節電の工夫法はないか、電力会社を選択できないのは何故かと考えるようになりました。

3.電力小売全面自由化への流れ

 これまでも電力の自由化は、大規模工場などの大口で2000年から段階的に進められてきました。その後、2013年からの電気料金値上げ審査における消費者の声が、電力自由化と電源開示への後押しとなり、2016年4月1日より電力の小売全面自由化となりました。

4.電力小売全面自由化で何が変わるのか

 家庭でも電力会社(電力小売事業者)を選択できる、つまり「電気が選べる」ようになりました。新しい小売事業者が参入し市場競争が起こり、料金規制がなくなり、新電力は自由に料金設定することが可能になりました(ただし、今までの電力会社には料金規制がしばらく残ります)。その上、電力の融通ができるので、安定供給が果たせるようになると思われます。

5.消費者が電気を選択することの意義

 消費者の選択は、電気料金の引下げも期待できますが、それだけが本質ではなく、「将来のエネルギーミックスを決める」という政策への重要な参加となります。消費者が的確な説明を受けて電気の一生(発電源など)を知り、それを考慮して選択することで、エネルギー源は変わっていきます。
 また、事業者がどんな電気を使用して事業をしているかに関心を持って、商品の選択にも活かしていただきたいです。選択は評価と応援を意味します。
 RE100という組織があり、多くのグローバル企業が再生可能エネルギー源からの電力100%を調達するために、目標を設定しています。

6.消費者にできること

(1)電気の一生(発電、送電、小売)を知って電気を主体的に選ぶ
 電気の購入者には、電源も廃棄物、排出物も分かりません。ですから、発電方法を説明している事業者を選択し、電気料金は納得して支払いましょう。それが需要の削減にもつながります。

(2)賢明な選択
 どの事業者を選んでも、省エネルギーは必須です。また、日本は資源のない国といいますが、自然が豊かでエネルギー源は潜在的に多く、開発可能性が大です。再生エネルギーは、日本のエネルギー自給率を高めます。地域での小規模分散型エネルギーは送電ロスが少なく、地域振興などの副次的効果が得られ、持続可能性の視点で大変有効です。太陽光発電や燃料電池、蓄電池など家庭での導入も可能です。

(3)原子力発電の一生を知る
 3.11に遭遇して以来、原子力発電に関わる多くの問題が顕在化しています。原子力発電は、使えば必ず核廃棄物である「電気のごみ」が出る=「ゼロ・エミッションエネルギーではない」こと、発電所などで働く人への健康負荷などについて、私たちは電気の使用者として知らなければなりません。

(4)電気の需給のバランスを使う側から考える
 電気を使う側が、賢く削減することが何より大事で、特に「ピークカット」は重要です。電気の使い方を賢くマスターし、省エネルギーにつなげます。また、見えない電気を「見える化」することも可能です。

(5)消費電力W(ワット)と消費電力量Wh(ワットアワー)の違いを知る
 W(ワット)は、瞬間の電力の消費を表す単位で、「高さ」で表されます。ピーク削減はこの「高さ」を低くすることです。
 Wh(ワットアワー)は、電力の消費の「総量」を表す単位で「面積」で表されます。
 電気を熱エネルギーにするには大きな消費電力(ワット)が必要なので、「高さ」と「使用時間」を減らす、例えばワット数の高い器具(アイロン、電子レンジ、IHクッキングヒーター等)は、意識して使う時間を短くしたり、同時に使用しないという工夫が賢い使い方です。

(6)自宅の現状を知り、各社のプランを比較する
 「電気ご使用量のお知らせ」を見て、契約内容や毎月の消費電力量の現状を知り、その上で、新電力の電気代の計算方法を確認しましょう。ホームページ上にいろいろな比較サイトが掲載されています。

7.自由化が始まって半年

 「消費者の選択で、将来の日本のエネルギーの姿が決まる」ということに気づき、この選択の機会を大事に捉えましょう。

会場からの質問に答えて
  • Q1.新電力への切替えの時期は?
  • A1.自分で事業者を調べて、納得した時です。料金の経過措置期間の2020年までには考えましょう。どこを選んでも省エネは忘れずに!
  • Q2.都市ガスも自由化しますか?
  • A2.2017年4月から都市ガスの小売全面自由化が始まります。(電気もガスも)料金を明確に比較してほしいです。ポイントと合算して安い、各種ポイントがつくからお得というのは、本当のお得ではありません。
参加者の感想
  • 電力自由化の背景と意味するところがよく分かりました。
  • 持続可能なくらしの重要性と、消費者として何ができるのかを学ぶことができました。
  • 未来世代のくらしを守りたいと思います。
  • 今後も省エネを忘れず、電気との賢い付き合い方をしたいものです。