もっと広げようコミュニケーションの輪 くらしフェスタ2014 10月は東京都消費者月間です。 未来につなげる消費行動 東京都と消費者団体が協働し、10月を中心に消費者問題に関する様々な事業を行います。
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特別企画イベントレポート

第2回 今だから!食品リスクを考える partⅡ ―「健康食品」で健康になれますか?―


  • 日  時:平成26年11月5日(水) 13:30~15:30
  • 場  所:東京都消費生活総合センター 17階 教室Ⅰ・Ⅱ
  • 講  師:森田 満樹さん(消費生活コンサルタント、
         一般社団法人FOOD COMMUNICATION COMPASS事務局長)
  • 参加人数:103人

〈プログラム〉


  • 13:30 開会挨拶 笹浪 真智子  東京都消費者月間実行委員会委員長
            (多摩のくらしを考えるコンシューマーズ・ネットワーク)
  • 13:35 講演
  • 15:00 休憩(質問票回収)
  • 15:10 ご質問に答えて
  • 15:30 閉会

  • 司会:木村 美幸 (東京都消費者月間実行委員会 副委員長/消費生活「ポレポレ」)


森田満樹さん

森田 満樹さん

 「普通の食生活をしていれば、必要な栄養成分は補給できています。 本当に健康食品の必要があるか、広告などに惑わされずに、正しい知識をもって判断しましょう」と、アドバイスいただきました。

参加者の様子

 森田さんの具体的で分かりやすいお話に、参加者アンケートは「とてもよい」「よい」の合計が91%という高さでした。

 「いつまでも若く健康でありたい!」という願いを、健康食品は叶えてくれるのでしょうか?健康食品という響きから、食品リスクとは無関係と思われがちですが、摂り方によっては様々な問題も生じます。また現在規制緩和の一環として表示についての見直しも進んでいます。

 『連続セミナー partⅡ』では、消費者庁食品表示一元化委員会など、食品表示や食品安全に関わる様々な委員を務められた森田満樹さんをお迎えし、最新の情報を伺いました。



講演の概略

1. 食品のリスク、健康食品のリスクを考える

  •  一般の人が安全な食品にもつイメージは「リスクがゼロのシロの状態」だと思いますが、実際は食品そのものの成分に発がん性物質ほか色々な物が含まれています。
     食品の安全性を損なう危害(ハザード)要因には、残留農薬・食品添加物などの化学物質、放射性物質、微生物(細菌、ウィルス)、自然毒など様々な要因があります。
     「食の安全」を考える時に大事なことは、「なにをどれだけの量 食べるか?」「リスク=ハザード(有毒性)×摂取量」であり、特に「摂取量」を忘れてはいけません。
     食の安全を脅かすものには、食肉の生食、汚染物質の混入、「天然・自然」は安全という錯覚、食経験がないものの無防備な利用等のほかに、「健康食品の無警戒な利用」があります。

  •  健康食品のリスクはなんでしょうか?
     通常の食品であれば、特定の成分を過剰摂取することはありませんが、錠剤、カプセルの製品は特定の成分を抽出してつくられ、味も香りも無く容易に過剰摂取できるため、安全性に問題がでてきます。病者、高齢者、妊産婦、乳児・小児などのハイリスクグループは特に要注意ですが、ハイリスクグループほど健康食品を摂っている傾向にあります。また、サプリメントの利用は、大人だけでなく子どもにも広がっています。

  •  健康食品の注意点は以下のとおりです。
    ① 過剰摂取・とりすぎに注意
    ② 個人輸入に注意
    ③ 医薬品と併用しない
    ④ 薬のかわりに使わない
    ⑤ アレルギーに注意
    ⑥ 食経験のないものに注意
    ⑦ 品質の悪いものがある
    ⑧ 多種類を同時に使わない

2. 知っておこう 健康食品の制度と表示

  •  健康食品には様々な問題がありますが、消費者にとって身近な食品として定着しているのが現状です。広告・宣伝に問題のあるものが多く、消費者は過大な期待を抱きやすいため、適切な情報をもとに消費者自身の判断が求められます。

  •  健康食品を利用する前に、本当に補給する必要な成分があるか、考えましょう。「普通の食生活をしていれば、必要な栄養成分は補給できている」のが大原則です。

  •  それでも利用する場合は、現在の保健機能食品制度について正しく理解しましょう。
     現行制度では、機能性(有効性)を表示できるのは、栄養機能食品とトクホ(特定保健用食品)だけです。
  • 健康食品・サプリメントとは

    (当日の資料より)

 広告・宣伝でよく見かける「いわゆる健康食品」の場合、機能性は表示できません。
イメージで販売しているものです。まずは栄養機能食品やトクホの表示の活用ができるよう、 読み取り方のポイントを理解しましょう。
 栄養機能食品は、特定のビタミン、ミネラルについて、1日の摂取量の加減量、上限量の基準が定められており、過剰摂取をすると健康を損なうおそれがありますので、1日当たりの摂取目安量をよく読んで、適切な摂取を心がけましょう。
 トクホも目安量や摂取の上での注意書きが必ず表示してあります。同じように見える食品でも、食事と一緒に摂取するもの、そうではないものがあります。効果を期待するのであれば、どのくらいの量をどのようにとったらいいのか、表示をよく読むことが大事です。


3. 来年度から始まる新しい機能性表示制度

  •  来年春から、機能性表示ができる3つめの新制度が始まる予定です。
     エビデンスがあるものについては、企業の責任で機能性表示をしてもよくなります。
     ただし、好き放題に表示していいわけではなく、安全性、機能性、品質においてその科学的根拠について一定の要件が定められており、それを消費者庁に届け出てその内容を消費者庁のウェブサイトで60日間公開した後に販売できる、という仕組みです。
  • 新制度説明

    (当日の資料より)

  •  内閣総理大臣の諮問機関「規制改革会議」や消費者庁「食品の新たな機能性表示に関する検討会」で議論され、本年8月に消費者庁が新制度に関する食品表示基準案を発表しました。今後の予定では、来年春に新制度に係る食品表示基準が施行されます。

     参考:「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会報告書概要」(消費者庁)
  •  http://www.caa.go.jp/foods/pdf/140730_3.pdf

  •  新制度は、消費者が表示によって機能性の確かな健康食品を選べるか、届出制のため国、地方公共団体、市民の監視が求められる、「消費者力」が試される、そのための教育・情報提供等が必要となる、などの課題があります。
     全国消費者団体連絡会などパブリックコメントを出して、問題点や懸念を表明しているところもあります。

4. 不当な表示にだまされないで!

  •  景品表示法は、一般消費者による選択の阻害事態に着目して、不当な表示(いわゆる「うそつき表示」)を規制しています。

  •  健康食品の不当表示、健康機器に関する不当表示、メニュー表示の誤表示問題など、不当表示の問題はあとを絶ちません。このため、本年景品表示法が改正されて、取り締まりが厳しくなり、また課徴金制度の導入も2016年春から始まります。これによって、事業者のやり得は許されないようになることが期待されます。

  •  健康食品とどう付き合うか?
     普通の食生活をしていれば、健康食品は必要ありません。大事なことは生活習慣の改善であり、そのために健康食品を使うのであれば利用価値はあります。ただし、ハイリスクグループの人は要注意です。表示をよく読んで、使い方に注意しましょう。

  •  健康食品で体調を崩したら、すぐに利用をやめ、医療機関や保健所に相談しましょう。
     一般的な相談・事業者指導に関することは、消費生活センターなどでも相談できます。

  •  リスクを理解するために必要なリテラシー、科学リテラシー(科学的な思考ができる力)、メディアリテラシー(リスク情報に含まれる真実を見抜く力)、情報リテラシー(情報収集や必要な情報を探し出し評価できる能力)を身に着けることが大切です。

  •  食品に関する情報を理解するためには、リスクに関する科学的かつ客観的な情報を、互いにやり取りすることで、理解を深める「リスクコミュニケーション」が重要になっています。
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